はじめに
こんにちは。クラウドセントリック株式会社のfujimotoです。
普段はAWS移行をメインに担当していますが、趣味で自宅に物理サーバーを置いていたりと、クラウドだけでなく物理機器を触ることも好きです。
今回は、IoT研究会の第2号記事として、2026年7月7日に開催されたSORACOM Discovery 2026に参加してきた様子をお届けします。
※IoT研究会とは?
IoT研究会は、センサーやカメラ、通信デバイスなどの物理的なモノとクラウドを組み合わせながら、IoTの活用方法を学び、試していく社内活動です。イベント参加やプロトタイピングを通じて得た知見を共有し、身近な課題を解決するものづくりにつなげることを目指しています。
イベントでは、IoTとAIのこれからを感じられる基調講演や、実際のユースケースに触れられる展示があり、IoT研究会としても多くの学びがありました。

1. SORACOM Discovery 2026とは?
SORACOM Discoveryは、IoTプラットフォームを提供するSORACOMが開催している年次カンファレンスです。
公式サイト:https://discovery.soracom.jp/2026/
IoTの最新事例や新サービス、現場での活用方法などを知ることができるイベントで、今年は「人とAIをつなぐIoTの今と未来」というテーマのもと、AIとIoTがどのように現場を変えていくのかを感じられる内容でした。
普段の業務ではクラウドに触れることが多いですが、IoTの世界ではセンサーやカメラ、通信デバイスなど、物理的なモノとクラウドがつながることで価値が生まれます。
今回のイベントでは、そうした「現場」と「クラウド」がつながる面白さを、基調講演や展示を通じて実感できました。
2. 基調講演
基調講演のテーマは、「人とAIをつなぐIoTの今と未来 『フィジカル』と『デジタル』が出会うその先へ」でした。

このセッションの詳細は公式セッションページもご参照ください。
講演ではまず、IoTが「物理世界」と「デジタル空間」をつなぐ手段として整理されていました。
これまで人が記録していた現場の情報を、センサーやカメラなどを通じて人手に頼らずデータ化し、クラウドやAIで活用していく。そうすることで、現場の状況を把握するだけでなく、AIの判断を現場へ反映する循環が生まれていく、という話が特に印象に残りました。
キーワードとして紹介されていたのが、SIM、フィジカルAI、AIエージェントの3つです。個人的には、フィジカルAIという考え方に強く惹かれました。
IoTで現場のデータを集め、AIが状況を把握し、必要に応じて動作や判断につなげていく。クラウド上だけで完結するAIではなく、現実世界の機器や設備とつながるAIという点にこそ、IoTならではの醍醐味があるのだと思います。
3. 新サービス発表(SORACOM Agent・ソラカメ Pro)
SORACOM Agent
IoT領域の専門知識を持つマネージドAIエージェントとして、IoTのプランニングから実装・運用まで伴走してくれるというものです。
デモでは箱罠IoTを例に、仕様づくり、デバイスづくり、IoTアプリづくりを支援する流れが紹介されており、IoTプロジェクトの難しさをAIエージェントが補助してくれる未来がすぐそこまで来ていることを実感しました。
ソラカメ Pro
ネットワークや機器の組み合わせ、初期設定といった導入時のハードルを下げ、あらゆる現場を簡単にデジタル化するためのカメラです。センサーやカメラで現場のフィジカルデータを取得し、それをAIにつなげていくという今回のテーマを、まさに体現する発表でした。
全体を通して、IoTは単に「モノをインターネットにつなぐ」だけではなく、現場のデータをAIが扱える形にし、人の判断や作業を支援していくためのインフラへと進化しつつあるのだと実感しました。
4. 展示コーナー
会場内にある展示コーナーを見て回りました。
SORACOMの実機デモやスポンサー展示など、実際に「触れる」展示が多く、講演で聞いた内容をより具体的にイメージできる場になっていました。
その中でも特に印象に残ったのが、箱罠IoTの展示です。
今回の展示では、RYODENのペストコントロール支援サービスPescle Liteを箱罠に取り付け、罠の状態を遠隔で確認するユースケースが紹介されていました。
このセッションの詳細は公式セッションページもご参照ください。
農業被害対策として、クマやアライグマなどを対象にした箱罠をIoT化し、罠の状態を遠隔で確認したり、通知したりする仕組みです。
現場に毎回見に行かなくても状態が分かることは、省力化はもちろん、安全面でも大きな意味を持つ取り組みだと思いました。
実際の撮影映像では、広角カメラで罠の内側全体が見えており、入口や踏み板、誘引剤の位置まで確認できるようになっていました。
また、罠にかかった動物がアライグマだったことも分かるなど、単に「開閉を検知する」だけでなく、映像によって状況を判断できる点には驚かされました。
Pescle Liteは、LTE・電池式で電源を入れるとすぐにつながり、結束バンドで固定できるなど、設置のしやすさも特徴として紹介されていました。
広角カメラで罠全体が見えることや、乾電池でも長期間動作することは、屋外や現場で使うIoT機器として欠かせない要素だと納得しました。
実際に体験してみると、箱罠という物理的な設備と、通信・クラウド・AIがつながることで、現場の課題をかなり現実的に解決できることが分かりました。
基調講演で話されていた「フィジカル」と「デジタル」がつながるというテーマを、展示を通じて自分の目で確かめられたのは、今回ならではの収穫でした。
5. IoT研究会としての学び
今回のSORACOM Discovery 2026に参加して、IoT研究会として改めて大事だと感じたのは、「知る」「触れる」「作る」「改善する」という流れです。
まずイベントで最新の事例や技術の方向性を知り、展示で実際のデバイスや仕組みに触れる。そこで得た気づきをもとに、まずは小さく作ってみる。そして、作ったものを誰かに使ってもらい、フィードバックを受けながら改善していく。
このサイクルを回していくことが、IoT研究会らしい活動なのだと思いました。
IoTは、クラウドだけで完結するものではなく、センサー、カメラ、通信、電源、設置場所、運用方法など、考えることがたくさんあります。だからこそ、実際に手を動かしてみないと分からないことも多いです。
今回のイベントでは、箱罠IoTのように現場の課題に直結した事例を見ることができ、IoTが現実世界の困りごとを解決するための手段であることを、身をもって知る機会になりました。
IoT研究会としても、今回得た学びをもとに、身近な課題を見つけて小さく試しながら、実際に使えるものづくりにつなげていきたいです。
おわりに
今回は、IoT研究会としてSORACOM Discovery 2026に参加してきた内容をまとめました。
基調講演では、IoTが現場のフィジカルデータをデジタル空間やAIにつなぐインフラになっていく流れを知ることができました。また、展示コーナーでは箱罠IoTのような実際のユースケースに触れることができ、IoTが現場の課題解決に直結していることがよく分かりました。
普段の業務ではAWS移行などクラウド側に触れることが多いですが、今回のイベントを通じて、クラウドの先にあるセンサーやカメラ、通信デバイス、現場の運用まで含めて考えることの奥深さを再発見できました。
IoT研究会としても、今回の学びを活かして、まずは身近な課題から小さく作って試し、使ってもらいながら改善していく活動を続けていきたいです。
今後も、イベント参加やプロトタイピングを通じて得た知見を発信していきます。