はじめに

こんにちは、ホンマです!
今回は、社内で開催された 「第一回天下一3層アーキテクチャ大会」 の様子をレポートしたいと思います。この大会は、比較的最近入社した新入社員メンバーが、2月間のAWS研修の集大成として挑んだ特別イベント。
「AWSで3層アーキテクチャを構築する」という共通テーマのもと、要件定義から設計・構築・発表までを自分たちで行う、まさに研修の卒業制作でした。
一見シンプルな「3層構成」ですが、実際にやってみると選択肢は無限大。
参加したメンバーそれぞれの発想が色濃く表れた発表会になりました。

大会ルール

今回の大会は、ざっくり言うとこんな感じで行われました!

  • テーマ:AWSで3層アーキテクチャを構築
  • 条件:Web層・AP層・DB層をきちんと分離すること
  • 要件:WordPressを題材に、基本的な機能要件+非機能要件(拡張性・可用性・セキュリティ・モニタリングなど)を満たすこと
  • 評価項目:完成度・準備度・伝達力・独自性

最低限の条件は共通でも、構成や工夫の仕方は人それぞれ。 その結果、同じテーマでも十人十色のアーキテクチャが生まれました!

個性豊かなアーキテクチャたち

発表が始まると、個性あふれる工夫やアイデアが次々に飛び出しました。その中から印象的だったものを紹介します!

構成の背景とサービス選択の工夫をしたAさん

Aさんは、弊社の公式キャラクター “せんとりっくん” の仮想スタンプ配布サイトを題材に、CloudFormationによるIaC管理を導入。公式DockerイメージやFargateを選択し、アプリの安定動作とインフラ管理の効率化を両立していました。

構築後の管理にこだわったHさん

Hさんは、AWS Resource Groups & Tag Editor を活用してリソース管理を工夫。
大量のリソースを整理し、構築後のメンテナンス性を高めていました。

Auroraで高可用性と性能を両立したNさん

Nさんは、Aurora MySQLを中心に据えた高可用性・高性能なデータ層設計を発表しました。データベースには Aurora MySQLを採用し、ライターインスタンスでメインの書き込み処理、リードレプリカで読み取り処理を分散。さらにAuto Scaling Group(DB)によって負荷に応じた自動スケーリングを実現するなど、大規模Webサイトを想定したスケーラブルな構成を構築していました。

通知・自動化に挑戦したSさん

Sさんは、CloudWatchアラートをSNS経由でSlackに通知する仕組みや、EventBridge+Lambdaでの毎朝の運用状況自動通知にチャレンジ。「運用担当が朝イチで状態を把握できる」仕組みは実務にも直結し、運用の効率化に大きく貢献する構成になっていました。

私のアーキテクチャ(ホンマ)

私が挑戦したのは、フルマネージドサービスを活用し、実際の業務運用を見据えた3層構成です。Route53 → WAF → ALB → ECS(Fargateタスク)というシンプルな基本構成に、自動化と運用効率化の仕組みを組み込みました。

また、以下の点も工夫しました。

  • Secrets Manager+EventBridge+Lambda
    → RDSパスワードを自動ローテーションし、ECSを無停止で再デプロイ可能に。

  • WAFのルール設計
    → 海外アクセスを遮断、日本からのアクセスはマネージドルールで精査。効率性と安全性を両立。

  • ECS Execの活用
    → CloudWatch Logsでは見えないアプリ状態を直接確認可能に。SSH不要でセキュアに運用。

私が3層アーキテクチャの構築を通じて学んだことは、フルマネージドサービスを組み合わせるとセキュリティ・運用負荷軽減・可用性を一気に実現できるということ。ただし、その裏で動く「ロールの仕組み」や「イベント駆動のつなぎ」を正しく理解することが成功の鍵だと実感しました。
こうした工夫と学びを評価していただき、ありがたいことに優勝🏆という形で締めくくることができました!

違いが学びになる

今回の大会を通じて改めて感じたのは、「正解はひとつじゃない」 ということ。

  • セキュリティを重視する構成

  • コストを抑える構成

  • 新技術を試す構成

  • シンプルさを追求する構成

それぞれに強みがあり、互いに学び合えることが大きな価値でした。
優勝できたことはもちろん嬉しかったですが、それ以上に他の人の発想から学べたことが大きな収穫です。

おわりに

AWSへの理解を深めるだけでなく、「設計を語る楽しさ」が溢れた大会でした。発表後には「次はもっと工夫してみたい!」「他の人の構成も試してみたい!」という声も多く聞かれ、参加者全員が楽しみながら学べる、まさに“文化の種”のようなイベントになりました。
研修の一環として始まったこの大会ですが、今後は職種や世代を超えて交流できる社内イベントとして定着していく予感があります。
知識を共有し、アイデアを刺激し合う場として、次回の開催が今から楽しみです。
参加したみなさん、本当にお疲れさまでした!