こんにちは。高橋健斗です。
re:Invent 2025に行ってきました!!!
イベントの雰囲気や説明は、他の方のブログを是非ご覧ください。
私はあまり写真をとっていません…。しかし、精一杯現地で交流をすることができ、海外のエンジニアや、POのお話を聞ける貴重な機会となりました。
結構ディープな話もたくさん聞けたので、どこかでアウトプットしようと思います。
是非皆さんもご機会があれば、re:Inventの熱を体験して欲しいです。
はじめに
今年はまさにAIエージェントの年でしたね。
単なるAIから「タスクをこなすAI」へと進化を遂げてきています。
re:InventでもAIエージェントの話題は例外ではなく、新しいAIエージェントの形として「Frontier Agents: 長期実行が可能な自律型エージェントの新クラス」というものもMatt Garmanによる Keynoteで提唱されていました。
そして私が興味深いと感じたサービスが「AWS Transform」です。
*2024年のre:Inventでプレビューされ、2025年5月にGA、同年12月(re:Invent)にて大幅機能拡張となりました。
以下はKiroを用いながら、AWS Transformで.Netアプリケーションをモダナイゼーションするセッションの様子となります。

サービス情報
本サービスは単なるAIツールではなく、いわゆるAIエージェントによるモダナイゼーションを行うものです。
目的は、「古い/レガシーなコード/システムのモダナイゼーション/クラウド移行」を加速することとされています。
2025年5月に、「古い Windows / .NET アプリケーション」「メインフレーム(COBOL/CICS/DB2 など)」「VMware ベースのシステム」を変換する最初のエージェント型AIサービスとしてGAされました。
今回のアップデートでは、多言語に対応し、コードの分析、設計提案、リファクタリング、テスト生成、デプロイ構成変更など――人手だと何か月〜何年かかる作業を自動化/高速化してくれるようになりました。
参考:
メリット
・技術的負債の解消
技術の進化、人材移動によりレガシーかつ管理が難しくなったアプリケーションをモダナイゼーション
・人的コストの削減
AIによる時間・人件費の削減
・パフォーマンス向上
最新のクラウドベースのアプリとすることでインフラを最新化(=クラウドのメリットを受けることが可能)
検証
実際に検証等をしてみたいのですが「このサービスを使うのは、高そうだし、セットアップが面倒そう」と思っていました。
しかし、無料でCLI体験ができるそうなので試してみました。(さすがAWS!!)


今回は、コードのモダナイゼーションだけなら既存のコーディングツールでも容易にできると思うので、「コード分析・テスト」を検証したいと思います。
具体的には、「Java17の互換性をテスト、レガシー箇所があればアップデート」とします。
Java8以降に対応しているオープンソースをGitからクローンして検証してみたいと思います。
よ~~~し。やりますか!!

あ、そうですよね。Windows互換は、最初から対応していないのはAI界隈の鉄板でした。気を取り直してもう一度…。

プロジェクトの構造を認識してくれました。(プラン→実行)

多少時間はかかっていますが正常に進んでいます。テストも計画通りに実行してくれていますね。(英語になってしまったけど)

完了。
以下が処理結果のレポートとなります。
Apache Commons CLI プロジェクトは以下の理由で移行が非常にシンプルでした:
1. **シンプルなライブラリ**: コマンドライン解析のみを行う基本的なライブラリ
2. **Jakarta EE 不使用**: javax.servlet、javax.persistence などの複雑な依存関係なし
3. **Spring Boot 不使用**: フレームワーク関連の大規模な更新不要
4. **最新の親 POM**: Apache Commons Parent POM 93 を使用しており、すでに Java 17 対応のプラグインバージョンを継承
5. **互換性のある依存関係**: すべてのテスト依存関係が既に Java 17 対応済み—
## 変更の影響範囲
– **変更されたファイル**: `pom.xml` のみ(2行)
– **変更されたソースコード**: なし
– **変更された依存関係**: なし(既に互換性あり)
– **テスト結果**: 変更なし(100% 成功率維持)
– **品質メトリクス**: すべての品質ゲートが合格
素晴らしいのではないのでしょうか?
コードの分析・テストをマルチエージェントかつ、多様なツールを用いて詳細に対応してくれました。
既存のコーディングAIより途中での指示出し、カスタムコマンドがまだ充実はしていないですが、非常にスムーズに互換性のテスト・分析を行うことが出来ました。
まだ、AWS Transformで出来ることは沢山あるので、実際に触ってみてはいかがでしょうか!?
*「プロジェクト構造のコード」や、「.git」がないと動作しないのでご注意ください!!
感想
レガシーアプリケーションの人材は減少傾向にあります。そんな中、このサービスを利用することで、モダナイゼーションの大きな助けとなるでしょぅ。
もし私が「COBOLを最適にモダナイゼーションして下さい」と言われたら、まずAWS Transformを使用して、分析からしてもらうでしょう。。。
しかしながら、どのセッションでも言われていましたが、AIは魔法でもなければ、完全なものでもありません。
どんなAIエージェントでも、”現状は”人間がチェックを行い、AIのスコープを理解することが品質保証へと繋がっていくでしょう。
そして、我々はAIエージェントを賢く利用し、業務効率化がドンドン行われる未来を作る一員なのです!!!